こんにちは、T.W_nicolです。
マグネシウムイオンが実際に働く例を挙げて見てみます。
代表的な例はやはりATP-Mg2+です。
エネルギーを与える局面は全細胞にありますが、
筋収縮が最も身近でしょう。
筋収縮というと専門的ですが、
身体を動かすと考えれば当たり前の反応です。
肘を曲げる、膝を伸ばす、手を挙げる、といった当たり前のことは、
筋肉が収縮されることで出来る反応です。
筋肉の繊維を拡大して見ると、
編み込まれているところが確認できます。
アクチンとミオシンが互いに手繰り寄せ合うことで、
筋肉は全体的に収縮し関節を動かし動作が完成します。
アクチンとミオシンが働く際、
Ca2+やMg2+がその都度働きます。
順を追って反応を見てみると、
①筋肉収縮する前は、ミオシンがアクチンに結合することを
トロポニンというたんぱく質が防いでいます。
②筋肉が収縮する際、Ca2+がトロポニンに結合することで
ミオシンがアクチンに結合できるようになります。
③ミオシンはATP-Mg2+複合体からリン酸基を遊離することで
エネルギーを獲得します。
④モーターたんぱく質であるミオシンはアクチンの分子鎖を滑って移動します。
エネルギーの単位はカロリーで示されるのが一般的です。
アクチンとミオシンが上記の働きをする際、
およそ7.3kcalのエネルギーが消費されます。
化学式としては
ATP-Mg2+ + H2O → ADP-Mg2+ + H3PO4 + 30.6kJ
という複雑は化学式で表されます。
リン酸そのものは不安定さを持っているため、
結合させておくには相応のエネルギーが必要です。
この結合をハイエナジーリン酸結合と言い、
この結合を解除するため多くのエネルギーを得られるということになります。
この反応はすべての筋肉に当てはまるもので、
先に挙げた動作だけでなく心筋や平滑筋などの臓器を動かす筋肉も同様です。
つまりはMg2+の欠乏や枯渇は
生命維持活動の停止を意味するということでもあります。
それでは今日はこの辺で。
ありがとうございました。
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