こんにちは、T.W_nicolです。
前回は多価不飽和脂肪酸の特性の一つ、
加熱してはいけないということについて書きました。
理由はトランス脂肪酸へと変化してしまうからです。
そしてもう一つの特性について今日は書いてみます。
それは体内で生成できないということです。
多価不飽和脂肪酸は主にオメガ6とオメガ3に分類されて、
共に体外から摂取しなければならない必須脂肪酸に位置しています。
必須脂肪酸に該当するのはこの二つだけです。
これまでも書いてきた通り、
栄養素には体内で生成できないタイプと、
体内で生成できるタイプがあります。
三大栄養素もビタミンもミネラルもその分類がなされていて、
私たちは個人差はあれど摂取すべき栄養素を把握して食を選択する必要はあります。
オメガ6とオメガ3は体内で生成できないため、
必ず食事から摂取しなければなりません。
実はオメガ6とオメガ3はその働きが表裏一体になっていて、
どちらかだけを多く摂取しても問題が起きてしまいます。
あくまで普通の食生活をしていれば、
身体にとって良好なバランスが保たれているはずです。
しかし、現代人はそうはならないでしょう。
この必須脂肪酸の摂取バランスは著しく乱れていて、
おそらくほとんどの現代人は意図して修正しなければなりません。
その摂取バランスは、
オメガ6:オメガ3=4:1
と言われています。
しかし、それが現代人は、
オメガ6:オメガ3=50:1
くらいになっていると言われています。
明らかにオメガ6過多、
オメガ3不足です。
体内で生成できないということは、
元々食材から十分に摂取できていたということです。
元々、というのは人間の進化の途中までは、という意味です。
古代人間が人間として生活するようになってから、
少なくとも日本人は摂取バランスが保たれていたということです。
しかし急速に食生活が変わってしまい、
油の摂取が根本から変わってきています。
その要因は調理、保存食、食品の大量生産などです。
多価不飽和脂肪酸は加熱してはいけません。
ですから保存することができないのです。
基本として生のまま摂取しなければならず、
食事の内容も時間も量も疎かになる現代人にとって、
その条件は非常に難しいことになります。
しかも、オメガ6の方がオメガ3に比べて様々な食品に含まれているため、
調理の問題からしても摂取機会も量も多くなります。
オメガ3が不足するのは、
摂取量もさることながら、
オメガ6の摂取が多いため相対的にオメガ3が不足することになるからです。
体内で生成できないので食材で摂取しなければならない。
しかし加熱しては編成してしまうので生のまま摂取しなければならない。
含まれている食材の問題で相対的にオメガ3が不足する。
これらの要因でオメガ3不足が騒がれて、
オメガ3入りの商品が溢れているというわけです。
体内で生成できない栄養素は、
その摂取方法も慎重に行わなければなりません。
現代人の現状を鑑みて、個人差を理解しながら摂取するのが望ましいですね。
それでは今日はこの辺で。
明日から多価不飽和脂肪酸の働きを具体的に見てまいります。
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